おいしい三陸応援団

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”おいしい三陸応援団”のコンセプト
多くの人が関心を持ち続け、継続的に応援できる「仕組み」が必要
 2011年7月、被災された事業者さんの話を初めて聞いた時、私たちが何も知らないということを改めて認識しました。事業者さんが非常に複雑な状況の中で次の動きを決めなくてはならないことや、復興には2~3年もしくはそれ以上の年月がかかることを知らされたときは大変驚きました。同時に、私たちを含む多くの人々が、長く厳しい復興への道のりを歩まなくてはならない被災事業者の実情を知らないことに、大きな問題意識を持ちました。次第に東日本大震災に関するマスメディアの報道が少なくなっていく中で、人々の関心が被災地域の復旧・復興から離れてしまうことに危機感を覚えています。だからこそ、多くの人が関心を持ち続け、継続的に応援できる「仕組み」が必要だと感じました。
どうすれば多くの人に知ってもらい、関心を持ち続けてもらうことができるのか?
 インタビューを通じて、震災で多くのものを失った被災事業者が「人と人のつながり」に助けられたことを知りました。被災して本来の商品・サービスが提供できない中で、多くの人に関心を持ってもらうためには、事業者の思い、考え方、実際の行動に共感してもらう必要があると思います。しかし、たとえニュースなどの情報で一時的に関心を持ったとしても、継続的に関心を持つことは非常に困難です。そこで私たちは、できるだけ事業者の思いや考え方が伝わるようなエピソードをウェブサイトに掲載することや、メーリングリスト・facebook・twitter を通じて継続的に最新情報を発信することで、一人でも多くの方が関心を持ち続けることができる「仕組み」をつくることを考えました。
私たちの願い ~忘れないで欲しい~
 2011年7月、初めてのインタビューで被災された事業者さんに具体的なお願いを聞いたとき、「知ってほしい。忘れないで欲しい。関心を持ち続けて欲しい。」と言われた事には少し驚きました。「商品を買って欲しい」、「支援をして欲しい」といったことではなく、「忘れないで欲しい。関心を持ち続けて欲しい。」と口にされた事業者さん。半年、一年と時が経ち、復興を続ける被災地のことが忘れ去られてしまうのが一番怖いといいます。確かに、私達が知るだけでは事業者の皆さんの直接的な利益にはなりません。また、私達は、今すぐに商品を買うことや、現地を訪れることはできないかもしれません。でも、忘れてないよ、注目しているよというメッセージを送り続けられればと思います。あるいは、何かの拍子に東北を訪れることになったときや、自由に使えるお金ができたとき、あなたが復興を支えたお店の商品を口にして頂ければと思います。また、あなたが誰かに伝えることで、現地に行ける誰か、商品を買える誰かにつながるかもしれません。継続的に知ること・そして伝えることの直接的な効果は見えにくいですが、私達は、継続的な応援が事業者の復興の支えとなることを願っています。また、私たちが紹介できる事業者さんは全体のほんの一握りであり、実際にはもっと多くの事業者さんが同じような道のりを歩んでいることも理解いただけますと幸いです。
”おいしい三陸応援団”の始動から現在まで
岩手県沿岸広域振興局の「美味しい三陸復活プロジェクト」
 岩手県沿岸広域振興局では、被災事業者の復旧・復興を実現するためには、事業の一日も早い再開とともに、これを契機とした販路の開拓やブランド力の強化が必要であるとして、「美味しい三陸復活プロジェクト」を提起しました。同プロジェクトは、被災事業者の美味しい商品を消費者に届けたい気持ちや、復旧・復興を目指して懸命に取り組む姿などを発信し、ブランド強化の観点から、消費者や取引先の皆さんとの復興への思いの共有、結びつきを促進するものです。具体的には、(1)フェア・展示会等への参加支援、(2)美味しい三陸復活のブランド展開、(3)学生による「三陸応援団」の結成、(4)その他復旧・復興に向けた取組みなどを行います。そして、岩手県沿岸広域振興局から協力要請を受けて、東京大学大学院新領域創成科学研究科 サステイナビリティ学教育プログラム(のちサステイナビリティ学グローバルリーダー養成大学院プログラム(GPSS-GLI))がプログラムの一環として、「学生による三陸応援団」を結成し、ウェブサイトを立ち上げることになりました。
大槌町・岩手県沿岸部と東京大学のつながり
 岩手県沿岸部にある大槌町に東京大学大気海洋研究所の国際沿岸海洋研究センターができたのは1973 年にさかのぼります。それ以降、沿岸海洋研究を活発に進めるとともに、共同利用施設として、国内外の多くの研究者や学生に活用されてきました。同研究センターも2011 年3 月11 日の東日本大震災では、3 階まで浸水し, 船艇をはじめとする全ての施設と設備が壊滅的な被害を受けました。幸いにも、当時施設にいた者は全員無事でした。現在、同研究センターにいた教員と学生は、千葉県柏市にある大気海洋研究所に移動し、研究活動を継続しています。一方、同研究センターも8 月には建物3 階を復旧させ、一部の研究活動等が行われています。
 「おいしい三陸応援団」を立ち上げた学生が所属する東京大学大学院新領域創成科学研究科サステイナビリティ学教育プログラムは、平成19 年に設立されました。同教育プログラムでは、社会的・文化的にも、経済的にも多様な国際社会において、サステイナブルな社会の構築をめざして活躍できる専門家の育成を目標としており、問題解決を前提にした新しいシステムの提案や多様な利害関係者の間の相互理解のために必要なスキル(システム思考や合意形成)を養うために、多様な学生・教員の間の相互刺激や具体的なケースに関するフィールド演習を重視した独自の教育手法を、東京大学アジア環境リーダー育成プログラム(Asian Program for Incubation of Environmental Leaders; APIEL)や、平成23年に開始したサステイナビリティ学グローバルリーダー養成大学院プログラム(GPSS-GLI)において実施しています。
 本ウェブサイトは、新領域創成科学研究科サステイナビリティ学教育プログラム(サステイナビリティ学グローバルリーダー養成大学院プログラム)と大気海洋研究所、岩手県沿岸公式振興局の密接な「つながり」のもとに運営されています。
ウェブサイト立ち上げ
 2011年7 月上旬に岩手県沿岸広域振興局から東京大学大学院新領域創成科学研究科サステイナビリティ学教育プログラムの教員・学生に対して、「美味しい三陸復興プロジェクト」について最初の説明がなされました。その際に、「学生による『三陸応援団』の結成」の一環として、ブランド構築に向けた情報発信を行って欲しいという依頼が岩手県沿岸広域振興局からなされました。同教育プログラムとしても現地での学生の活動が復興への貢献につながる可能性があると感じ、岩手県沿岸広域振興局の協力を得ながら、情報発信をボランティアとして行っていくことで合意しました。
 2011年7月下旬には、岩手県沿岸広域振興局の紹介の下で被災事業者への第一回目のインタビューを実施しました。インタビューを行っているうちに、ウェブサイトを持っていない事業者や、持っていてもアクセス数が少なかったり、復興に向けた思いや現状をあまり発信できていない事業者が多いということを実感しました。その後、現地訪問や被災事業者のインタビューをもとにコンテンツを作成し、事業者に確認していただいたうえで、2011 年10 月20 日にウェブサイトの公開(日本語版・英語版)に至りました。その後も、2~3ヶ月に1回のペースで現地を訪問し、事業者さんへのインタビューを続けています。
立ち上げ後の展開と今後の方針
 世界中のより多くの方に現状を知っていただくために、2011年11月には、中国語版ウェブサイト(簡体字版・繁体字版)を公開しました。また、私達がface to faceで被災地域の状況・事業者さんの想いを伝え、皆さんに事業者さんの商品を食べて頂く機会として、ワークショップの開催やイベントへの参加も積極的に行なって参りました。2012年8月には新メンバーを迎えると共に、取材対象事業者を増やしました。同年9月には特設ページ「三陸に行きたいあなたへ」を開設し観光情報の発信なども始めました。
 2013年に3期目のメンバーを迎え、取り組みを続けて参りましたが、この度3年が経つ2015年3月を区切りに、一度活動を締めくくることになりました。そのため、2014年11月には、三陸から事業者さんを招き、「三陸復興の軌跡 〜東日本大震災から3年を経て〜」と題したワークショップを東京大学の学園祭にて開催しました。また、これまでのインタビュー記事を、報告書という形にまとめることを決定し、編集作業を行っています。現在、何らかの形で活動の成果を今後に残せるよう、様々な方向性を模索しています。(2014年12月更新)
おいしい三陸応援団は、三井物産株式会社および三井物産株式会社環境基金より助成を受け、活動しています。
また、活動に際しては、岩手県沿岸広域振興局にご協力いただいています。